大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)247 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人久保田美英の上告理由第一、第四点について。

第一点所論の更正したる準備書面は、上告人が原審において陳述しなかつたもの

である。そして原審口頭弁論にあらわれた上告人の主張は、上告人は被上告人が現

になしている占有妨害の排除を求めるというにあること明らかであり、従つて本件

はこれを占有保持の訴と認めなければならない。しかも原審は、この点について、

判断を示していること明白であるから、原判決には所論の如き違法はない。

同第二、第三点について。

所論は、占有の訴においても、本権に関する理由に基いて裁判することを要する

という独自の見解に立脚するものであつて、採るを得ない。

同第五点について。

原判決の判示するところは、いささか明瞭を欠くものがあるが、原判文の全趣旨

に徴すれば、要するに原審は、上告人は昭和二〇年一〇月被上告人から本件土地の

返還をうけ、爾来上告人においてこれを自作し占有していたのに、被上告人は昭和

二四年六月中旬上告人の承諾を得ないでこれに立ち入り稲の植付をしたので、上告

人は被上告人に対して立入禁止の仮処分命令を得たが、その執行後である同年八月

以降は自ら耕作し、その占有を継続しているのであつて、被上告人の占有妨害は、

仮処分にかかわりなく、右の日以降は止んだものであるという事実を認定した趣旨

であることを肯うに難くない。されば、この点に関する論旨は、原審の事実認定を

非難するに帰し、論旨中その他の部分については、論旨第二、三点についてすでに

判示したとおりであつて、いずれも適法な上告理由と認められない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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